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その他

2017/08/31

バッタハウス

浦安市立舞浜小学校地区児童育成クラブ

夏休みの校庭には、せみ、バッタ、ちょうちょなど…、様々な虫が出現します。

子どもたちは、我先にと虫取り網と虫かごを持ち、虫取りを楽しみます。

子どもたちの中で、捕まえやすいバッタをとることがブームになり、みんな我先にとバッタを捕まえました。もちろん捕まえたバッタは飼いたくなります。最初は紙コップにいれラップをかけてお持ち帰りしたり、ビ二ール袋に穴をあけてお持ち帰りしていました。なかには団子虫を大量にお持ち帰りする子どももいました…。

そのうち、何人かの子どもたちが何やら段ボールやガムテープ、毛糸、箱などで制作を始めました。どうやら『バッタのおうち』のようです。子どもたちはバッタのことをあれこれ考えながら、アスレチックのように紐を吊るしてそこを登らせようとしたり、箱でベッドをつくり寝る場所を確保したり、葉っぱをとってきてご飯の場所に置いたりと、とても楽しそうでした。

しかし、当のバッタは、子どもたちの思惑は全く無視で、ぴょーん!とバッタハウスから飛び出していきます。



…そんなこんなで名前までつけ、
「あーでもない。こーでもない。」と楽しく遊んでいたのですが、事件が勃発します…。


みんなで大事にしていたバッタの「ケビン」が死んでしまったのです!!!


みんな、とてもショックをうけました。
そのうち、「シュウくん」の足も一本もぎ取れてしまったのです。すると仲良く遊んでいた仲間に意見の対立が始まります。


「ケビンは死んじゃったから逃がしたほうがいい!」
「かわいそうだ」
「しゅうくんも足がなくなって死んじゃうよ」
と逃がしてあげたほうがいい派と…、

「こんな足のまま逃がしたら余計に死んじゃうよ。」
「ここにいたほうがいい!」
「オレが見つけてきたんだから…」
と飼いたい派の対立です。

大きな声でもめだしたので、私(職員)も入り、両者の意見を聞きました。
どちらの意見も納得です。どちらの気持ちもわかります。「どうしようか?」と問います。


「バッタを逃がしたくない!飼っていたい!」という子どもも、
逃がしたほうがいいのはわかってはいるが、「やだ!」という表情が見れます。

「シュウくんにも家族や、兄弟や、友達がいるかもしれないね。」
「家族や友達と離れてどんな気持ちがするのかね?いろんな餌がたべたいのかもね?」と話をしました。

 でも、「イヤ!」なのです。

その周りで他の友だちが、
「かわいそうだ!」「しゅうくんの気持も考えたほうがいい!」と意見を言います。

きっと彼もわかっているはず…。
「このバッタを捕まえたのは彼なのだから、彼に任せよう。」とまわりの子どもたちに提案しました。
彼の気持ちもすごくわかるから、彼に任せることにしました。

彼はしばらくテーブルで泣いていました。おやつも食べずに泣いていました。その間そっとしておきました。


しばらくすると、先ほどまわりにいた友だちが「しゅうくん逃がすって!」と教えにきてくれました。
ふと見ると、彼はもう泣いていません。

「逃がしたいから外行っていい?」と私に言ってきてくれたので、
「大丈夫?いいの?」と聞くと「うん!」と足のもげた大きなバッタを手にしました。

彼のたっての希望で、捕まえた場所に逃がしたいといいます。
「何で?」と聞くと「家族が待ってて探してると思う」とのこと…。 

彼は逃がしたくない自分の気持ちと、バッタのしゅうくんの気持ちを考え、葛藤の末、しゅうくんのことを思って逃がすことにしたのです。
とても心が温まりました。

相手を思う気持ち、相手はどう思うかを考える…。(今回はバッタですが…)素敵な経験だなと思いました。
一つ一つのこのような経験が、相手を思う気持ちのカケラになっていけば…と思います。 


しかし…!またその後、新たなバッタが!!?


「あれーーーー?」と聞くと、みんなは、
「今日はこの子と遊んで、夕方逃がすことにした。一日ここで遊んでもらったら逃がすことにしたから!」と、
自分たちで決めた一番いい方法でバッタハウス増築・リフォームを繰り返しています。

もちろん、「ケビン」のお墓も建てました。 

By :佐藤幸江